詩のない詩集

ここには詩を書く予定だったのだが

ナチズムと代替医療

 ヒムラーは(略)自然療法の信奉者で、強制収容所内での民間療法・土着療法の実験を援助しつづけた(ダッハウ収容所には温室があって、実験と大量生産の両方を目的としてさまざまな種類の薬草・香草類を栽培していた)(1:71)。

 ヒムラーのオカルティズムや異端(あるいは疑似)科学への関心を示すものとして、最も広く知られているのは彼の薬草への情熱であろう。というのは、彼は強制収容所内に薬草園を設置することを義務づけ、囚人たちに夥しい種類の薬草を栽培させたからである(2:248)。

 このようなことは、ナチスドイツの狂気としてのみ捉えられるべきではない。