詩のない詩集

ここには詩を書く予定だったのだが

価値相対主義と選好功利主義

「何かを欲しいと思っていることや、それをわざわざ手に入れようとする気があることと対比して、その何か(原文では傍点)は価値があるとか、それを価値ありとしているとかいうことによって何を意味しているのかが、われわれにはわかっているのだろうか。現存の哲学者であれ、過去の哲学者であれ、この観念を説明できた人を私は知らない」
フィリッパ・フット「道徳的相対主義」(『相対主義の可能性』所収)
 価値相対主義と呼ばれるふたつのテーゼがある。
  1)価値は人それぞれである。
  2)異なる価値観も配慮しなければならない。
 引用文の言うような違いがなければ、1)は明らかだが、つまらないことを、2)は選好功利主義者と同じことを主張している。