『ここからはじまる倫理』
- 作者: Donald M. Borchert
- 出版社/メーカー: Macmillan Library Reference
- 発売日: 2006/01/31
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- 作者: Sissela Bok
- 出版社/メーカー: Univ of Missouri Pr
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Splitting the Difference: Compromise and Integrity in Ethics and Politics
- 作者: Martin Benjamin
- 出版社/メーカー: Univ Pr of Kansas
- 発売日: 1990/01
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The Power of Ethical Persuasion: Winning Through Understanding at Work and at Home
- 作者: Tom Rusk
- 出版社/メーカー: Penguin Books
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The Power of Ethical Persuasion: From Conflict Partnership at Work and in Private Life
- 作者: Tom Rusk
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二つの不法侵入
表現が不法侵入でだめになった二つの事例
このふたつに道徳的に重大な違いはあるのか
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H・ワロンは嫉妬を一種の同情(sympathie)だと説きます。たとえば妻と関わりをもっている男がいるとすれば、私はその男を押しのけて、自分がそれに変わらねばなりません。もし自分が自由に動くことができれば、そうするでしょう。つまり、妻と関係をもっているその男の立場に身を寄せて彼の味わっている快楽を理解した上で、本当のところその妻との関係を楽しむべきは自分なのだと感じているわけです。これをワロンは、言わばばその男の情に自分の情を重ねている、つまり同情(原文傍点)しているというのです。ただし嫉妬は、現実には自分がその男に取って代わることができないから感じるものです。つまり自分は、その男の妻へのかかわりに情を重ねながらその立場に成り代われず、これを座視するしかない。ただ見、想像するだけで(つまり受身的に)情を重ねながら、しかも関わっているのは自分ではないという分裂の意識に悩む、そうした受身的な悩める同情(sympathie souffrante et passive)こそが嫉妬だというわけです。
価値相対主義と選好功利主義
「何かを欲しいと思っていることや、それをわざわざ手に入れようとする気があることと対比して、その何か(原文では傍点)は価値があるとか、それを価値ありとしているとかいうことによって何を意味しているのかが、われわれにはわかっているのだろうか。現存の哲学者であれ、過去の哲学者であれ、この観念を説明できた人を私は知らない」
フィリッパ・フット「道徳的相対主義」(『相対主義の可能性』所収)
価値相対主義と呼ばれるふたつのテーゼがある。
1)価値は人それぞれである。
2)異なる価値観も配慮しなければならない。
引用文の言うような違いがなければ、1)は明らかだが、つまらないことを、2)は選好功利主義者と同じことを主張している。
哲学のパターンのひとつ
1.ある問題について、一見すると真であるような命題の集まりをつくる。
2.1で集めた前提から矛盾を導出する。
3.矛盾しないように前提を再構成してやる。